2007年11月23日

有機ELテレビがついに発売。その特性に今後期待

有機ELディスプレイは液晶ディスプレイに変わる次世代ディスプレイと呼ばれています。そのディスプレイがついに店頭発売されました。
この有機ELディスプレイには液晶を上回れるポテンシャル、コスト効果を秘めていると言えます。

液晶は「消費電力が小さい」と言われます。
しかし定格消費電力は、40型以上の大型になると格段に大きくなります。
42型で292W、52型で376W、57型になると518Wにもなります(東芝レグザZ3500シリーズより)。



それは何故か。理由は3つあります。
(1)バックライト
(2)オーバードライブ回路
(3)カラーフィルターが必要

液晶は単独では光を出しません。
そこでディスプレイパネルの後ろから照明を当てて映像として見れるようにします。これがバックライトです。
このバックライトは、パネルのサイズが大きくなればなるほど当然大きな発光量を必要とします。大サイズになるほど消費電力は増えます。
おそらく液晶ディスプレイの消費電力の多くの割合をこのバックライトが占めているはずです。

一方オーバードライブとは。
液晶として使用される物質の特性が原因で、液晶ディスプレイは、ブラウン管に比べ激しい動きに弱いです。
それを補うために、表示回路に通常より大きな電圧を掛け、激しい動きに対応しようとします。
特に液晶ディスプレイを売る企業は、最近は応答速度の向上を謳っているところが多く、オーバードライブ回路の仕組みは複雑になる一方。
これは当然、消費電力の向上につながります。

さらに液晶は物質自体は赤や緑、青という色を持ちません。
それぞれの色のカラーフィルターが必要です。
カラーフィルターを通る事で、輝度が落ちます。それを回路で補う。
これも液晶ディスプレイの消費電力を上げる原因です。

つまり今の液晶は、物質の本来の限界を別の回路でカバーしていて、本来の特性とは違う方向に進みつつあり、矛盾が相当大きくなっていると言えます。



有機ELだと、これら3つの問題を解決します。

有機ELは蛍光材料を使う事で自分で光ります。バックライトが必要ない。
さらに、自分で色を出せます。よってカラーフィルターを通す必要がない。
視野角によって色が変わるという液晶特有の問題もない。

物質の発光時間が非常に早く、輝度が瞬時に変化します。
液晶のように応答速度が環境温度に依存(低くなると遅くなる)事もありません。よってオーバードライブ回路を使わずとも十分激しい動きの映像を出力できます。

今はまだ量産数が少ないため、11インチで20万と高いですが、原理的には液晶ディスプレイより単純な構造です。

東芝を始め、他社の参入により、量産効果でディスプレイの値段は急激に下がるでしょう。

何と言っても液晶より低消費電力で薄く(厚さがミリメートルサイズ以下の超薄型ディスプレイの製造も可能)できるのが魅力。

その特性はすでに携帯電話のディスプレイに多数採用されている事で生かされています。

難点は大型化と高解像度にありますが、いずれは解決できるはず。

将来的には液晶やプラズマに置き換わる事を期待します。

(毎日新聞より)
<ソニー>世界初の有機EL超薄型テレビ発売 厚さ3ミリ

ソニーは22日、最も薄い部分の厚さが3ミリの有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)テレビを世界で初めて発売した。「超薄型時代」の幕開けと言え、先行予約は品切れとなった。ただ、現時点で大型化は難しく、主流になるかは未知数だ。一方、他社は有機ELに対抗する形で、超薄型の液晶テレビを12月から相次いで投入し、競争は激しさを増しそうだ。  

 ソニーの有機ELテレビは、電圧をかけると自ら光る発光体を採用した。液晶テレビにあるバックライトが不要で、超薄型を実現した。高精度の映像も売り物だ。価格は20万円だが、まだ月産2000台と生産台数が限られていることもあり、ソニーがインターネットで14日に受け付けた先行予約は1時間あまりで品切れになった。

 ソニーは発売日を12月1日としてきたが、商品を入荷した一部の家電量販店が22日、前倒しで販売を始めた。東京・秋葉原の量販店では大半が予約客向け。ただ、11インチと小型のため、展示品を見た近くの自営業の男性(69)は「映像が美しく、薄いのは魅力的だが、画面がもう少し大きくなってほしい」と話した。

 有機ELテレビは、東芝も09年中の商品化を目指している。

 一方、日立製作所はバックライトの改良などで厚さ3.5センチの液晶テレビを開発、32型を12月中旬に発売する。日本ビクターも厚さ3・7センチの42型液晶テレビを08年夏の北京五輪前に発売予定。超薄型は一般的に5センチを切るサイズとされ、液晶陣営は「小型の有機ELより、液晶の技術を発展させた方が実用性に優れている」などと、液晶の優位性をアピールする構えだ。

 電機各社が超薄型テレビの開発を急ぐ背景には、現行の薄型テレビの価格下落が進み、利益が出にくくなっている状況がある。


posted by カミガタ at 16:04| Comment(0) | TrackBack(0) | トレンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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